「美」とは何か

人は美を追求する。「美」には様々な種類があり、時代、地域によって異なる。一方、普遍的なものもあるのだろうか。それは分からない。

オーストリアのウィーンに行ったとき、私は感動と情けなさを覚えた。建物、街並み、人、ファッションなど、何もかも美しいと感じた。一方、これが普遍的なものかどうかを疑問に思った。ハリウッドやテレビの影響で、「美」の刷り込みが行われているのだろうか、と。明治以降の欧州へのコンプレックスがまだぬぐい切れていないのだろうか、と。

正解は分からないが、もしも刷り込みが行われていたら、それをした人の罪は大きい。柳宗光が主張したように、もしも珍しいもの、外国のものを「美しい」とした場合、国内のものの価値が小さくなってしまうからだ。普遍的な「美」があるのか、もっと考えていきたい。