人が踊る理由

多くの人が踊ったり、踊りを見たりするのを楽しむ。もちろん踊りをしないし、他人の踊りに興味がない人もたくさんいるが、踊りがなじみ深いことは否定できないだろう。なぜ踊りを好むのだろうか。

それには生物学的な考察ができるだろう。ヒトは狩猟採集時代から集団行動してきた。そのためには、人の間での連携が必要であった。サルなどの動物は毛づくろいで仲間同士のきずなを深めていたが、人類は大部分の毛を失ってしまったため、毛づくろいは難しい。そこで、焚火の周りで踊ることで仲間意識を持つようになったのではないだろうか。

また、現代に踊りとは無縁の人たちがいるが、それは言語の発達に伴って踊りが必ずしも必要ではなくなったためではないかと考えられる。言葉で十分に意思疎通ができるようになったのだろう。

このように、人類は、毛づくろいの代わりに踊りを発達させ、きずなを深めてきたが、その必要性は薄まってきているのだろう。