アイデンティティのありか

近年、物や金だけでなく、人の移動も容易になり、土着の人間というものが少なくなってきている。私もその一人で、幼いころから国内外で転勤を繰り返し、はっきりと故郷と呼べる場所がない。逆に言えば第2のふるさとはたくさんある。

このような人に多いのがアイデンティティの置き場に困る、ということだ。かつては地域に愛着を持つ人がほとんどだったが、現代ではそのような人は減っている。

家族という枠組み、県や国という枠組み、さらに宗教という枠組みがあるが、どれもくだらなく感じてしまい、出身地は「地球」というような感覚だ。自意識ばかりが大きくなり、不安定にさまよっている感覚である。

これへの対処法の1つとして、周りの人との関係の中でアイデンティティを確立するのが良い気がする。