麻薬は作品を作らない

アーティストや芸能人が麻薬関連の容疑で逮捕されると、その人に関係する作品が非公開にされてしまう。さらに、その作品について「これは本人でなく麻薬が作った作品だ」とまでいう人もいる。

しかし、このような作品への対応や批判は不適切であると思う。

なぜなら、作品は麻薬だけで書かれることはあり得ないからだ。もしそうであるならばその麻薬を服用する人たちは全員アートの世界で活躍しているだろう。本人にとって麻薬は作品を構成する部品の1つかもしれないが、米を食べたり水を飲んだりするのと同じことだ。「この作品はパンが作った」などとは言わないだろう。

また、そのような批判をすると、麻薬と芸術性の関連が認められてしまう。麻薬が人をインスパイアすると聞けば、売れない芸術家に限らず、一般人も麻薬に興味を持ってしまうだろう。

このように、麻薬で逮捕されたときに、その人に関連する作品を規制したり、麻薬と結び付けて批判するべきではない。