病気は作られるものである

正常と異常の境界線は、人によって異なる。また、時代や国によって異なることもある。つまり、健康と健康でない境界線も異なる。

しかし、病気の範囲は基本的に拡大している。昔はそれが通常の範囲内であったり、少し変わっているが個性、という扱いだったものが、現在では病気に指定されている物がたくさんある。なぜだろうか。

それはおそらく、病名をつけることで人々が安心するからだろう。病名があるということは、自分以外にもそれを患っている人がいた、もしくはいる、ということになるから、自分の変わったところが自分だけのものではないという安心が欲しいのではないだろうか。

病気だと認定されて喜ぶというのは一見おかしなものであるが、それを求めている人も多いのは事実である。