因果関係を把握する難しさ(対照実験)

因果関係を正確にとらえるのは難しい。

例えば、ある患者にAという薬を投与した結果、その患者の病気は治った。という事実があったとして、病気が治ったのはAのおかげと言い切ることはできない。もし言い切るには、その患者と条件が同じ人で、Aを投与しないで、治らないという事実も必要なのである。さらに厳密にいえば、投与する行為そのものが患者に影響を与えうるから、生理食塩水などの、A以外の物質を投与することも必要だ。

実際には全く条件の人は存在しないから、多くの人で実験し、その差が有意であるならばAの有効性が認められることになる。

このように、因果関係は一つの事実のみをみて把握することはほとんど不可能である。