基礎研究の意味

科学には多くの分け方があるが、その一つに基礎科学と応用科学、という分け方がある。基礎は簡単で応用は難しいイメージがあるかもしれないが、それは当てはまらないことが多い。基礎は土台で応用はその上にあるものである。例えば基礎科学は理学、応用科学は工学や農学があたる。

時々大学の話をしていると、「理学部の人たちって自分の興味あるものを研究しているだけで、社会に役に立っていないよね」という言葉を耳にするが、これは必ずしも正しいわけではない。

前述したように、基礎科学あっての応用科学であり、基礎科学は、人類がどうこうという次元にないことがほとんどだ。だからそれを応用する人たちがいるのだ。木に例えれば、根や幹が基礎、果実や葉っぱが応用、というようなものである。基礎は地味だが、不可欠なのである。

このように、ほんの一部ではあるが、時間を超えて、基礎科学の研究が世の中の大きな役に立つこともあるため、その可能性を初めから摘むべきではない。