ユダヤ人が迫害を受けてきた理由

ユダヤ人は迫害の歴史をもつ民族である。その理由として、「金融面で活躍し、人から嫉妬を受けやすい」というのがよく言われている。

しかし、私は、ユダヤ人が嫌われてきた理由は、「単に外国人だから」だと考えられる。

まず、10世紀前後までは、明らかな差別はなかったようだ。しかし、その後国ができ、国民がそのアイデンティティを持つようになってから嫌われたのではないか。つまり、今のEUにおける移民などと同じである。少数なら許容されるが、大人数でいると、その国の国民は不安になる。彼らに土地が奪われてしまう、税金が彼らのために使われているのではないか、と勘繰って、敵とみなしてしまう。

このようにして13世紀、ユダヤ人がキリストの聖体を冒とくしたとして、差別が始まった。おそらく当時、本気で宗教的な問題としてとらえていた人は少なく、多くは「外国人だから」という理由で嫌われていたのではないか。

また、ペストが流行ったころ、「ユダヤ人が毒をまき散らした」という噂が立って迫害を受けたが、それも「外国人だから」嫌われたのではないだろうか。その差別の時は仕事など関係なく迫害されていた。戦後の日本において、「韓国人が井戸に毒を入れた」という噂のもと、迫害を受けたのと同じだろう。