科学実験におけるバイアス

科学の特徴として、実験を行って正しさ、普遍性を証明する、というものがある。しかし、意味のない実験もあるかもしれない。

なぜなら、人間は見たいものを見る上に、注目したところ以外は見落としてしまうからである。

まず、人間は自分の都合の良いものしか見たがらないため、いくら批判精神が強い科学者であっても、「こうであるはずだ」とか「こうなったら素晴らしい」というような考え方を完全にぬぐうのは難しい。よって、自分の欲しい結果が出るように実験の方法を考えたり、実験で得られた結果を真摯に考察できなかったりする。

また、注目していないところで大事なものがあるかもしれない。例えば、ある映像でそのことが証明されている。その映像では、5人くらいの人でバスケットボールをパスし、その回数を観る人が数える、というものだ。実はその映像の中で、ゴリラの着ぐるみが堂々と横切るのだが、視聴者のほとんどがそれに気が付かない。これと同じことが実験で起こりうる。注目していない部分で素晴らしい現象が起きている可能性がある。

このように、実験者のバイアスによって、都合の良い結果のみをみたり、その結果を出そうとしたりする。さらに、バイアスによって見落としてしまう部分もあるため、科学実験を意味あるものにすることは難しいかもしれない。