重要な器官は時代によって変わる

人の器官はほぼすべてが不可欠であるが、特に重要視されているのは脳だろう。脳は記憶、思考力、指令などの役割を担い、死の基準として脳死が採用されたりしている。

しかし、一昔前までは、心臓の方が重要視されていた。確かに心臓も、血液を体全体に流す役割を持ち、また、器官としてのダイナミックさが分かりやすい。胸に手をあててみると、心臓の鼓動を感じることができる。

また、心臓は記憶の役割も果たしていると言われていた。英語で「よく心得る」ことをlearn by heart というように、今では常識でない価値観であった。さらに、死の基準も心臓停止であった。

このように、時代によって最重要視される器官は異なる。最近では腸に注目が集まっているから、腸の時代になるかもしれない。