なぜ自分を過小評価してしまうのか

自分を正しく評価するのは難しい。しかし、自分の評価が高すぎたり、低すぎたりすると自分にとっても、周りにとっても良くない。秋葉原の通り魔事件の犯人は、毎日掲示板で自分の容姿を卑下する書き込みをしていたという。その容姿の悪さのうっ憤晴らしとして事件を起こしたと供述した。これに対し、世間からは「そんなに容姿はわるくないのに」という声が多数上がった。

これは過小評価をした結果が極端な例だが、過小評価をする人は多い。正当に評価したり、過大に評価する人よりも多いだろう。なぜそのような人が多いのだろうか。

それはおそらく、社会的な圧力と、自分の中の嫉妬の強さが原因だろう。

まず、社会の風潮として、過大評価するようなナルシストは、「気持ち悪い」、とか「痛いやつ」、として見られがちである。一方、過小評価に対する風潮はあまり注目されず、「謙虚だ」と美徳にされることすらある。

また、他人との比較をしすぎる人が多いのも原因だろう。他人と比べ始めると、上ばかりに注目して自分が下位にいると錯覚してしまう。さらに、そんな自分を正当化するために、他人を攻撃したり、見下したりしてしまう。しかし、それが自分のことのように感じて、自分を過小評価し、また他人を攻撃して、と繰り返してしまう。

このように、社会的慣習と他人との比較によって、自分を過小評価してしまう人が多いのだろう。この慣習を気にせず、他人との比較を減らすことで、正当な評価に近づけるだろう。