監視社会が良くない理由

犯罪のない世の中を作りたい、とだれもが夢見る。その結果、街には防犯カメラやドローンを利用して、市民のあらゆる行動を監視する国がある。しかし、これはむしろ幸福度を下げているのではないか。という指摘もある。なぜ監視社会が良くないのだろうか。

監視社会の最も大きな問題は、いつどこで監視されているか分からないことである。この認識は人々の行動を必要以上に制限し、大きなストレスになる。

ある実験がある。学生がテストをするとき、カンニング防止のため、一方は教師を生徒の前に、もう一方は後ろに座らせたときのカンニングの回数を記録した。この時、生徒が気づかないところにカメラをおいて、先生が見ていなくてもカンニングを見逃さないようになっていた。

この結果、先生が前にいるときよりも、後ろにいるときの方がカンニングの数は少なかったという。おそらく先生が前にいるときは、生徒は先生が何をしているか、どこを見ているかがわかり、安全なタイミングを見計らえるからだ。一方、監視者が後ろにいると、いつどこを見ているかが分からない。

監視社会では、監視者が後ろにいる状態になり、人の行動を必要以上に行動を狭めてしまう。グレーゾーンで済んでいたことや、クリエイティブな発想も難しくんるだろう。

このように、厳重な監視体制は人を不幸にする可能性が高い。